山口県公立高校入試(英語)の問題構成と傾向 2025
- SHINICHI IWAMOTO
- 3月24日
- 読了時間: 8分

問題の種類と出題構成
山口県公立高校入試(英語)は大問6問構成で、リスニングから英作文まで幅広いスキルが試されます。試験の全体像を見てみましょう。
大問1:リスニング
2人の会話を聞き取る問題(小問10問以上)
選択問題や会話内容に関するメモの穴埋めなど
日常的な場面での英語を聞き取る力が問われます
大問2:対話文(会話文読解)
日常場面の会話文を読む問題
最近は単独の文法問題から、文脈に合った表現を選ぶ形に変化
基本的な文法知識と語彙力、文脈理解力が必要です
大問3:資料・図表読み取り
短い会話文と図表(イラスト・グラフなど)を組み合わせた問題
会話と図表の両方を見比べて解答する内容一致問題など
情報を関連づける力が試されます
大問4:長文読解①
約400語程度の長文読解
文章の内容一致や要旨把握を問う選択問題など
まとまった量の英文を正確に理解する力が必要です
大問5:長文読解②(図表付き)
グラフや表などの資料を伴う長文問題
文章と図表の情報を結びつけて読み取る問題
複数の情報源から正確に情報を得る総合的な読解力が問われます
大問6:英作文
与えられた状況に対する自由英作文(20〜30語程度)
最近はメールの返事や自分の考えとその理由を説明する条件英作文
配点が高く、英語での表現力と文法力の両方が試されます
注目すべき点は、長文読解が全体の半分以上を占めることです。例えば2024年度入試では6問中4問が長文読解でした。50分という試験時間の中で速く正確に読み解く力が求められています。
出題傾向と難易度の変化
ここ3年間(2022〜2024年度)の英語入試には、大きく3つの傾向が見られます。
1. 長文読解重視の定着
2024年度は50点満点中29点を長文読解問題が占めました
テーマは「グリーンカーテン」や「ランドセルの色の変化」など多彩
「1分間に100語読むペース」が目標とされる速読力が重要に
2. 文法問題のコンテクスト化
単独の文法問題は減少し、対話文や長文の中で文法知識を活用する問題が増加
大問2が従来の文法穴埋めから対話文読解の形に変化
出題される文法自体は中学1・2年で習う基礎的な内容が中心
基礎知識をどう応用できるかがポイントになっています
3. 設問形式の微調整
長文中の「脱文挿入問題」(適切な文を入れる問題)は2024年度には出題されませんでした
対話文中の語句補充問題は2023年度以降登場
英作文は「自分の意見とその理由を述べる形式」が定着(8点配点)
論理的に説明する力がより重視されるようになっています
難易度の変化
年度ごとの平均点は以下のように推移しています:
2022年度:28.5点
2023年度:25.6点
2024年度:26.6点
2022年度は比較的やさしく、2023年度に少し難しくなり、2024年度は少し回復しました。他の教科と比べると、英語の難易度は極端に難しすぎたり易しすぎたりせず、安定しています。
ただし、問題量の多さによる時間の厳しさは常に指摘されており、特に読解問題で差がつきやすい傾向があります。基礎力がしっかりしている受験生なら「落ち着いて解ければ難しくない」とのことですが、基礎力不足だと時間内に得点しきれないことがあります。
後半の続きですね。山口県公立高校入試(英語)の時間配分、配点、そして各セクション別の勉強法について、わかりやすくまとめていきます。
試験全体の時間配分と各設問の配点
山口県の英語入試は50分間で50点満点(リスニングテスト含む)です。リスニングは試験時間内に音声が流されます。
各大問の配点と時間配分目安(2024年度参考)
大問(内容) 小問数 配点(目安) 時間配分(目安) 大問1:リスニング 約12問 12〜13点 約10分(音声に合わせて解答) 大問2:対話文読解 3〜4問 5点程度 約5分 大問3:資料読解 3〜4問 5〜6点 約5分 大問4:長文読解① 約4問 7〜8点 約8分 大問5:長文読解② 4〜5問 9〜10点 約10分 大問6:英作文 1問 8点 約7分
※小問数・配点は年度により変動することがあります。2024年度はリスニング約13点、読解合計29点、英作文8点でした。
リスニングは音声に合わせて解答するため時間は固定されますが、その後の読解・作文には約40分弱を使うことになります。長文読解の配点が大きいため、時間配分でも読解に十分な時間を確保したいところですが、英作文(8点)も軽視できません。
ポイント: 限られた時間内で効率よく得点するには、各大問の目安時間内で解く練習が大切です。特にリスニング終了時点で残り時間を確認し、後半の長文に余裕を持って取り組めるようにしましょう。山口県の入試では「スピード」が重要なので、時間管理も合否を分けるポイントです。
各セクション別の勉強法・対策
学力レベル別(基礎・中間・上級)に効果的な対策法を紹介します。どのレベルの人も、基礎力の定着が土台となるので日頃から基本事項の復習を習慣にしておきましょう。
リスニング対策
基礎レベル向け
中学英語の基本単語・語句の発音と意味をしっかり覚える
NHKラジオ講座『基礎英語』や教科書付属CDなど、ゆっくりめの音声を繰り返し聞く
聞いた内容を日本語で簡単にメモする練習をする
基本的な表現(あいさつや質問文など)を声に出して練習する
中間レベル向け
過去問や模擬問題のリスニング音声で実践練習
設問文に先に目を通し、重要な単語をチェックしてから音声を聞く習慣をつける
聞き取った内容を箇条書きでメモする練習
聞き取りにくかった部分はスクリプトを確認し、音読練習を行う
上級レベル向け
細部まで正確に聞き取る練習を意識する
英検準2級〜2級レベルのリスニング素材にも挑戦
英文の音読を日課にして発音やイントネーションを身につける
先読み→集中→内容把握→確認の流れをスムーズに行えるよう練習する
文法・対話文対策
基礎レベル向け
中学英文法の総復習から始める
教科書の文法事項を単元ごとに整理し、例文を声に出して覚える
動詞の活用(時制・三単現・過去分詞など)や代名詞・前置詞の基本をマスター
教科書の会話文を使って語順や定型表現を確認する
中間レベル向け
過去問や類似問題を解いて弱点分野を見つける
状況に応じた表現の違い(現在進行形と現在形のニュアンスなど)を理解する
市販の「山口県高校入試問題集」などで会話の流れを意識した問題演習を行う
解いた後は必ず解説を読み、なぜその答えになるのか理由を理解する
上級レベル向け
細かなニュアンスの違いまで含めた理解を目指す
難度の高い語法問題集に取り組み、紛らわしい表現の違いを押さえる
他県の公立入試対話文も解いて、多様な会話場面に慣れておく
ケアレスミス対策も重視し、模試で間違えた問題を分析する
長文読解対策
基礎レベル向け
まずは簡単な英文に慣れることから始める
教科書本文や簡単な英語記事で丁寧に読む練習をする
段落ごとに「何について書かれているか」を日本語でまとめる練習をする
基本単語を覚え直し、知らない単語を減らす努力をする
難しい設問に時間をかけすぎず、易しい内容一致問題から確実に点を取る
中間レベル向け
タイマーを使った読解練習で速読力を鍛える
1分あたり100語程度読めるペースを目指す
様々なテーマの文章に触れる練習をする
グラフ付き文章では、グラフの傾向と本文記述の関係を意識する
英文の音読をして読む体力と言語感覚を養う
上級レベル向け
正確さとスピードの両立を追求する
過去数年の山口県長文を全て解き、設問パターンを分析する
他県や難関私立高校の入試長文にも挑戦し、応用力を養う
スキャニング(特定情報の速読み)とスキミング(大意把握)を使い分ける
1分100語以上のペースを目指し、設問を先読みしながら効率的に読む
英作文対策
基礎レベル向け
シンプルな英文を確実に書けるようにする
難しい表現は使わず、基本文(主語+動詞)の英作文練習を繰り返す
日記を英語で1行書く、好きなものについて2〜3文書くなど、簡単な内容でも自分で英文を作る練習をする
シンプルな文を3文程度書く構成を目指す
白紙にしないことが重要。途中まででも書けば部分点がもらえる
中間レベル向け
表現の引き出しを増やす努力をする
because以外にsince、asなども使ってみる
過去問や予想問題を実際に書いて、模範解答と比較する
書いた英文を音読して、不自然な表現がないか確認する
20〜30語という指定語数に収める練習をする
「主張+理由2つ」の構成を目指し、接続詞や指示語を上手く使う
上級レベル向け
論理的でミスのない英文を完成させる
説得力のあるアイデアを出す練習をする
高度な文法より正確さを優先する
自分の書いた英作文を第三者にチェックしてもらう
制限時間内(約10分)で書く訓練をする
下書き→英文作成→推敲→確認の流れを確立する
この試験では基礎をしっかり固めた上で、スピードと正確さを両立させることが重要です。特に長文読解の配点が高いため、日頃から英文を読む習慣をつけ、読解スピードを上げる練習を積みましょう。さらに英作文は8点配点と重要なので、決して軽視せず、自分の英語力に合わせた対策を取り入れてください。
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